私ってうつ病?と思ったら食事を見直そう。腸内環境を整えてうつ病予防

近年うつ病が増えている傾向にあります。
うつ病と聞くと、一人ぐらいは職場や友人の顔が思い浮かぶのではないでしょうか?
実際に1996年には約20万7000人だったのが、2014年には72万9000人と18年で50万人以上も増加しています。
その対策として2015年12月1日に、「労働安全衛生法」が改正されて、労働者が50人以上の事務所には年に一回労働者に対してストレスチェックをすることが義務付けられました。
職場でのストレス状況を把握して、うつ病などメンタル面に関する不調を未然に防ごうというのが目的です。
日々ストレスにさらされていて、「私ってうつ病かも?」と思った時に、腸内環境を整えることを意識してみてください。
腸内細菌の働きが脳との関係があるということが分かっていて、腸内細菌の状態によって気分が落ち込みやすくなることも分かっています。
なので腸の状態を良くすることで、うつの症状を克服できるかもしれません。
腸内環境を良い状態に保つことは、うつ病になることを防ぐことにもつながります。
目次
うつ病の症状とは?
うつ病の症状としてあげられるのが、
- 抑うつな気分
- 思考力の低下
- 意欲の低下
- ホルモンバランスの乱れ
- 睡眠の質の悪化
- 疲労感や倦怠感
- 食欲の低下
などです。
気持ちに関することから、体の症状まであります。
これらが一つだけという訳ではなく複合的に症状として出てくるので、仕事に集中することが難しくなったり、人付き合いがうまくいかなくなってしまったりということがあります。
うつ病と腸内環境の関係
こういった症状があると「私はうつ病なのかな?」と考えてしまい、ネットでうつ病の症状やうつ病のチェックをしている人が多いようです。
中には「自分はうつ病だからこんなに症状が出ているんだ」と原因が見つかって安心してしまう方も。
気分の落ち込みや疲労感などの原因をうつ病だから仕方ないと片付けてしまうのは安易なものではないでしょうか?
病院で診断をされてしまうと、「自分はうつ病だ」というラベルが貼られてしまったようなものでそれを覆すのは大変なことです。
確かに不安や心配など感情をコントロールするというのは難しいことです。
ですが、腸内細菌についての研究が進んできたことによって、腸の状態と脳の状態が関係していることが分かりました。
セロトニンやドーパミンといった幸せを感じたり、意欲を生み出すようなホルモンは腸に多く存在しています。
セロトニンは90%が腸に存在していて、脳には2%です。しかも腸でセロトニンの元になるものが作られてそれが脳に運ばれるということも分かっています。
脳にある2%のセロトニンの量が減るとうつ病になってしまうとも言われています。
なので腸の状態がいいほどセロトニンをうまく作り出すことができ、うつ病の予防にもつながるということです。
「うつ病だから仕方ない」と思ってしまう前に、腸内環境を良い状態にコントロールすることで腸でホルモンを作り脳へ届けることができれば感情に振り回されずにすみます。
セロトニンやドーパミンを作りだすには腸内細菌が必要
脳にセロトニンやドーパミンを届けるには脳にある関門を突破しなければいけないので、直接セロトニン・ドーパミンとして届けるのではなくその前の前駆体(ぜんくたい)として運ぶ必要があります。
化学における 前駆体(ぜんくたい)とは、ある化学物質について、その物質が生成する前の段階の物質のことを指す。wikipediaより
セロトニンの前駆体を作るにはトリプトファン、ドーパミンの前駆体を作るにはフェニルアラニンというアミノ酸が必要になります。
アミノ酸はタンパク質のを分解してできるものなので、タンパク質をたくさん摂ることがこれらのホルモンを作るのには重要になってきます。
ですが、いくらタンパク質を食べたとしても腸内細菌がいなければこれらをセロトニンやドーパミンの前駆体にすることができないのです。
なのでしっかりと腸内細菌が働く環境を作ることが大切になります。
腸内環境を悪化させる生活習慣
腸内環境を良くするには、まずは腸内環境を悪くしてしまう習慣を取り除きましょう。
そうしなければ、腸内環境を良くしようとしているのに悪くしてしまう習慣があることで足を引っ張ってしまいます。
- 添加物の多い食事
- 抗生物質の服用
- 除菌のし過ぎ
- 禁煙や過度の飲酒
などです。
これらの習慣をなるべくやめることによって、腸内環境を悪化させることを止めることができます。
さらに食品添加物を多く含む食品や、残留農薬を多く含む食品を食べることで、腸内に活性酸素が多く作られてしまうことで腸内環境が悪化してしまいます。
なので、食べ物に気をつかうということが大切になります。
食事でうつ病を予防する
ホルモンを合成するのにはタンパク質を食べることが必要だということは前述しましたが、タンパク質の種類も大切になってきます。
特にセロトニンの材料になるトリプトファン、ドーパミンの材料になるフェニルアラニンを多く含んだタンパク質を食べることです。
そして、それを合成するためには腸内環境を良い状態にして腸内細菌が働きやすい状態を作る必要があります。
なので、まずは腸内環境を良くすることから始めて、それからタンパク質をしっかりと食べることがうつ病を予防していくことにつながります。
腸内環境を良くする食事は下記の記事をご参考ください。
ポイントは善玉菌を増やしてから、食物繊維を摂ることです。
善玉菌を増やすには、オリゴ糖が善玉菌のエサになります。
トリプトファン・フェニルアラニンを多く含む食品
トリプトファンやフェニルアラニンを多く含む食品は、
- 肉 レバー、牛肉、豚肉、鶏肉、羊
- 魚 カツオ、マグロ赤身
- 大豆
- 卵
- 乳製品 チーズ、ヨーグルト、牛乳
などです。
腸内環境を良くしてからこれらの食品をしっかりと摂るようにしましょう。
何か一つに偏るのではなく、満遍なく色んなものを食べることをオススメします。
まとめ
脳と腸には関係があることが分かっていて、腸内の環境を良くすることで、幸せを感じるセロトニンや意欲を起こすドーパミンなどのホルモンが分泌されます。
このホルモンはうつ病になると少なくなるので、腸内環境を良くすることが大切です。
そして、腸内環境を整えてからタンパク質を多く含む食品を食べることでしっかりとホルモンを作り出すことができます。
「私ってうつかも?」と感じたら試してみてくださいね。