便秘の原因がストレス?過敏性腸症候群になる前に知っておいて欲しいこと

便秘になってしまう原因は様々ありますが、ストレスが便秘の原因になることもあります。
そしてストレスが原因の便秘の場合に下剤を使うと逆効果になってしまうことも。
下剤を飲んでも効かないという方はストレス性の便秘の可能性があります。
そして、慢性的にストレスレベルが強い状態の生活をしていて便秘がある場合は、ストレスが原因の便秘かもしれません。
ストレス性の便秘についての理解を深めて対策をしましょう。
目次
ストレス性の便秘とは?
ストレス性の便秘とは痙攣性便秘(けいれんせいべんぴ)と呼ばれるものです。
この痙攣性便秘とは、大腸がけいれんしています。
大腸の動きが鈍くなっているわけではなく、大腸の活動が激しい状態になっているのです。
便秘薬や下剤は、大腸の動きを促進する成分が含まれていています。
ストレス性の便秘はただでさえ大腸がけいれんして激しく活動している状態なのにさらに活動させてしまうと、今よりも大腸の働きが悪くなってしまう可能性があります。
この痙攣性便秘の場合は大腸は動いているのに便が出ないということなので、便秘薬や下剤などを飲む必要はないということです。
何故けいれんするのか?
ストレスを受けると、自律神経が乱れてしまいます。
腸の働きとは、自律神経が関わっているので、自律神経が乱れた状態では腸がうまく働かなくなってしまいます。
特に大腸が便を押し出す働きの蠕動運動が強く起きてしまいその結果、痙攣するように動いてしまいます。
または、蠕動運動が起こらなくなってしまいます。
痙攣性便秘の特徴
痙攣性便秘の特徴として、
- 下痢と便秘を交互に繰り返す
- 便が硬くコロコロしている
- 残便感が残る
- 激しい腹痛に襲われる
などです。
下痢と便秘を交互に繰り返す
大腸の動きが異常になっていて痙攣しているので、大腸が動きすぎることによって下痢になり、大腸が動かなくなることにより便秘にもなってしまいます。
特にS状結腸との部分が痙攣することにより、便がせき止められてしまい、そこで長く便が滞在します。
そこでは長く滞在しているから水分を多く吸収してしまい、硬い便が溜まります。
これが出るまでは便秘で、それが出てしまうとせき止められていたものがなくなるので次には下痢になりやすいです。
便が硬くコロコロしている
大腸の蠕動運動が起こらなくなり、大腸内に便が長く滞在しているため大腸で必要異常に水分を吸収してしまいます。
その結果、便の水分が硬くなりコロコロとしたウサギの糞のような形になります。
残便感が残る
大腸の動きが正常ではないので、一回の便の量が少ないです。
平均して一度に200gぐらいの量出るのですが、便秘の人は35gとも言われています。
さらに、大腸内に大量に便が残ったままになっていますので、便が出てもすっきりした感覚がありません。
激しい腹痛に襲われる
急な腹痛を伴った下痢になることがあります。
これも大腸の動きが激しすぎることによるもので、食べた直後に急激に動き出すことにより下痢になってしまいます。
その際に腹痛を伴います。
過敏性腸症候群の疑いも
この痙攣性の便秘がひどくなってしまうと、「過敏性大腸症候群」になってしまいます。
過敏性腸症候群も原因はストレスによって起こるので、ひどくなる前にストレスに対する対処を考えていく必要があります。
下剤に頼ると逆効果になることも
あまりにも便秘がひどいと、下剤に頼って無理やり出すという人も少なくありません。
ですが、痙攣性便秘の場合はそれが逆効果になってしまうこともあります。
下剤にも種類がありますが、ほとんどが動いていない大腸を強制的に動かすのが目的ですが、痙攣しているということは大腸は動いているということです。
なので、大腸を強制的に動かす必要はないということです。
むしろ痙攣しているのであれば、大腸がリラックスする必要があります。
それなのに下剤で無理やり大腸をさらに動かしてしまうと余計に痙攣させてしまうことになり逆効果になってしまいます。
自律神経のバランスが大事
ストレスを受けると、不安や緊張をしたり、イライラしたりなどの感情が沸きおこります。
これらの感情が沸くのは脳の内側の部分の大脳辺縁系という部分によるものです。
この感情をコントロールしているのが、脳の外側の大脳皮質です。
さらに視床下部という自律神経をコントロールしている脳の部位にも刺激がいきます。
特に感情的なストレスが強くなると、脳の内側と外側のバランスが崩れてしまい感情をうまくコントロールできなくなってしまいます。
それとともに自律神経のバランスも乱れてしまいます。
自律神経は、「交感神経」と「副交感神経」の二つに分かれていて、必ずどちらかが優位な状態になっています。
交感神経が優位な時
日常生活で活動している時は、基本的に交感神経が優位に活動しています。
体が緊張・興奮しやすく活動的な状態です。
血管は収縮し、血圧が上昇します。
心拍数が速くなり、筋肉にたくさん血液を送り込みます。
腸の蠕動運動が抑制されます。
副交感神経が優位な時
副交感神経が優位になる時は、食事中と寝る時にです。
体がリラックスして落ち着いた状態で内臓機能が活発になります。
血管は拡張し、血圧が下がります。
心拍数がゆっくりになり、筋肉はゆるみリラックスします。
腸の蠕動運動は促進されます。
自律神経のバランスが崩れると
ストレスが多く、この二つの神経の切り替えがうまくいかなくなりバランスが崩れてしまうと、いわゆる自律神経失調症となってしまいます。
そうすると、腸の働きがうまくいかなくなり、過敏性腸症候群となってしまうことがあります。
ストレスと腸の関係性
ストレスを感じるのは、脳の働きと思われることが多いですが、「脳腸相関」または「腸脳相関」と言って脳と腸には相関関係があることが分かっています。
脳がストレスを感じるとそれが腸に伝わり、腸にもストレスを与えます。
腸にストレスがかかると便秘や下痢になってしまい、そうすると、それがまた脳にストレスとして伝わってしまいます。
そして、腸が過敏になっていると、脳への伝達までも過敏になってしまいます。
些細なことまで腸がストレスだと認識して脳に伝えてしまいます。
そうなると、お腹がゴロゴロ鳴ったり、ちょっとした不快感があるだけでも必要以上にストレスとして認識してしまいます。
これは特に過敏性腸症候群の人に多いです。
その結果、不安が強くなり、うつ状態になってしまうこともあります。
このようにストレスは脳だけではなく、腸とも直結しているので、もともとストレスレベルが高い生活をしていると、ストレス性の便秘になりやすいということが言えます。
ストレス性の便秘の解決策
ストレス性の便秘の解決策は、ストレスを減らして自律神経を整えることです。
それとともに、腸内の環境を整えることを意識して食生活を見直すことが大切になります。
腸内環境を整える食べ物についてはこちらの記事をお読みください。
参考記事:食べてツライ便秘をスッキリ!便秘解消に効く食べ物14選
どんなストレスがあるのかを書き出そう
ストレスを減らすためには、まずは自分にどんなストレスがあるのかを書き出してみましょう。
現状を認識することがまずは第一歩です。
そのストレスは自分でコントロールできるもの?
書き出したら、それを自分でコントロールできるものなのか、そうでないものなのかに分けます。
例えば、試験や受験などのプレッシャーなどで不安があるのであれば、これは自分でコントロールできるものとします。
結果そのものはコントロールできないかもしれませんが、不安があるということはその不安を消すほどの努力をすることで自ずと不安は消えていきます。
次に、地震や自然災害に対していつ起こるか分からないという不安を強く持っている場合などは、これはもうコントロールできるものではないので、どんなに不安でいてもどうしようもないことなので、仕方ないものとして諦めるというのも一つの手です。
このように、自分でコントロールできるものなのかどうかを見極めるだけで、ずいぶんと楽になります。
特に、自分でコントロールできるものであれば、解決策を考えることで、ストレスから課題へと変わるのでその瞬間にストレスから解放されます。
ただし、こういった考えも実は完璧にやろうとそれがストレスになる場合があるので注意が必要です。
大腸のストレスのキーワードはコントロール
ストレスを自分でコントロールできるものとできないものに分けてもらったのには理由があります。
大腸は排便をコントロールしている臓器です。
日常生活において、物事や他人をコントロールしたいという考えや、自分の人生をコントロールできないというような考え方が、実は大腸が行っている排便のコントロールとも関わります。
便秘をしやすい人の意識
便秘の人は物事をコントロールしようとする意識が強い傾向にあります。
日常生活でも物事をコントロールしようとし過ぎていたりするとそれが大腸に反映されて便秘になってしまいます。
例えば、部下や上司を自分の思い通りに動かそうと思って、色々な策を練っていても結局は自分の思い通りに動いてくれない。
こういった他人や物事をコントロールしようとする意識というのが過剰にありすぎると、大腸が排便をコントロールしようとして我慢してしまい、便秘になってしまいます。
なので、便秘になっている人は、自分は何かをコントロールしようとし過ぎていないか?ということを振り返ってみるのもいいかもしれません。
それを手放すことができるとストレスが格段と減ります。
他にも日常生活で我慢をする癖がある人も、便秘になりやすい傾向にありますので、いつも我慢するのではなくたまには我慢しないということも選択してみる必要があります。
下痢をしやすい人の意識
逆に、あまりにもストレスが多すぎて「自分の人生は自分ではコントロールできない」というような想いが強くあると、それは大腸が排便をコントロールできないということにつながってしまい、下痢になってしまいます。
実際に下痢になると、症状を自分では全くコントロールができない状態になってしまうのが分かると思います。
そして、下痢になりやすい人は、自分の人生についての主導権を自分で握るということが必要になります。
他人にコントロールされるのではなく、自分でコントロールをするという意識を持つことでストレスをコントロールできるようになります。
まとめ
ストレス性の便秘は大腸が痙攣していることによって、便秘、下痢、どちらも繰り返すというパターンがあります。
下剤を使ってしまうと逆効果になってしまうことがあります。
下剤が効かないという方は、ストレス性の便秘かもしれません。
さらに、ひどくなると「過敏性腸症候群」になってしまうこともあります。
主にストレスが原因で自律神経が乱れてしまっているので、自律神経を整えるためにもストレス対策をする必要があります。
今現在ストレスになっていることも、物の見方を変えることができると、ストレスとして感じなくなることがあります。
そのためにも、自分が何にストレスを感じているのかと言うことを認識し、その反対側の考え方を許容できるようになることが大切です。
そうすると、自律神経が整い始めて便通も普通に起きるようになっていきます。
そして、腸内細菌を整えるということも、便秘の解消にはとても重要なことになっているので、よろしければ次の記事もお読みください。
そうすると、脳にも良い影響を与えてストレスを今よりも減らすことができ、便通の改善効果も期待できますよ。