新生児の赤ちゃんがミルクや母乳を吐く原因と対策

赤ちゃんにミルクや母乳をあげていて吐いてしまうと、とても心配になりますよね。
大人と比べると赤ちゃんは胃の大きさや形が違うので、吐きやすいといえばその通りなのですが、なるべくなら吐かずに飲んで欲しいというのが親の願いでもあります。
そして吐いてしまうというのは赤ちゃんにとってもストレスになってしまいます。
なぜ赤ちゃんがミルクを吐いてしまうのか?という理由を知り対策方法が分かる未然に防ぐことができますよね。
安心して子育てができるように、赤ちゃんがミルクを吐いてしまう原因と対策方法をお伝えします。
目次
赤ちゃんの胃の構造
新生児の赤ちゃんの胃の構造は、胃と食道の間のところにある筋肉が発達していなくて円柱状になっています。
その筋肉が発達していないうちは、母乳やミルクを飲んでも逆流しやすい形になっています。
これは、赤ちゃんが間違って異物を飲み込んでしまった時にも吐き出しやすい構造になっているとも言えます。
なので、そもそも吐きやすい構造になっているということです。
赤ちゃんの胃の容量
生まれたばかりの赤ちゃんの胃の容量は、30ml〜50mlほどです。
それから成長するにしたがって大きくなっていきます。
生後半年ほどで120ml〜200mlほどになります。
生後一年ほどで200ml〜300mlぐらいまで大きくなります。
母乳やミルクを吐く原因と対策
では、母乳やミルクを吐いてしまう原因と対策です。
吐いてしまう理由は、
- ミルクの量が多い
- 空気を一緒に吸い込んでいる
- 周りの環境がうるさくて集中できない
- 病的な要因
が考えられます。
一つ一つ解説と対策をご紹介します。
ミルクの量が多い
一回に飲ませているミルクの量が多すぎることも考えられます。
ミルクを飲むようになると、一回辺りにどれぐらい飲んでいるのかも分りやすいし、ごくごく飲んでくれると嬉しくなりますよね。
ですが、いっぱい飲んでくれるからといって、一度の量が多すぎるとそれも嘔吐の原因となってしまいます。
ミルクの量の目安
母乳の場合は欲しがったら飲ませるようにしましょう。
ミルクの場合の目安です。
- 生後0日、1日目 20mlを3時間おきに8回(一日の目安量160ml)
- 生後2日目 30mlを3時間おきに8回(一日の目安量240ml)
- 生後3日目 40mlを3時間おきに8回(一日の目安量320ml)
- 生後4日目 50mlを3時間おきに8回(一日の目安量400ml)
- 生後5日目 60mlを3時間おきに8回(一日の目安量480ml)
- 生後6日目 70mlを3時間おきに8回(一日の目安量560ml)
- 生後7日目~1/2ヶ月 80mlを3時間おきに7回(一日の目安量560ml)(体重の目安3.0kg)
- 生後1/2ヶ月~1ヶ月 100mlを3時間おきに7回(一日の目安量700ml)(体重の目安3.8kg)
- 生後1ヶ月~2ヶ月 140mlを3時間おきに6回(一日の目安量840ml)(体重の目安4.8kg)
- 生後2ヶ月~3ヶ月 140ml~160mlを3時間おきに6回(一日の目安量840~960ml)(体重の目安5.8kg)
- 生後3ヶ月~4ヶ月 180~220mlを4時間おきに5回(一日の目安量900~1100ml)(体重の目安6.5kg)
- 生後4ヶ月~5ヶ月 200~220mlを4時間おきに5回(一日の目安量1000~1100ml)(体重の目安7.1kg)
- 生後5ヶ月~6ヶ月【この頃から離乳食を始めます】 200~220mlを4時間おきに5回(一日の目安量1000~1100ml)(体重の目安7.5kg)
- 生後6ヶ月~9ヶ月 200~220mlを4時間おきに5回(一日の目安量1000~1100ml)(体重の目安7.9~8.4kg)
- 生後9ヶ月~12ヶ月 200~220mlを4時間おきに5回(一日の目安量1000~1100ml)(体重の目安8.6~9.0kg)赤ちゃんのミルクの量の目安|月齢別のまとめ
この量を目安にして、特に一回に飲む量が多すぎないかをチェックしてみましょう。
もし、多すぎるようだと飲み込めなくて吐いてしまうということが考えられるので、一回あたりの量を少なくしてみましょう。
欧米では、ミルクを早く飲ませるために哺乳瓶のくわえるところの穴を広げて、早く飲ませるということをする場合もあるようです。
それも一度に大量に流れてくるので、もちろん嘔吐する原因になってしまいます。
親にとっては時間が短く済むから効率が良くても、赤ちゃんにとってミルクを飲むということは思っている以上に大変なことです。
空気を一緒に吸い込んでいる
母乳やミルクを飲んでいるときに、くわえたときに隙間ができてしまうと空気を一緒に吸い込んでしまいます。
飲んだ後にこの空気を出させるためにゲップをさせるのですが、その際に母乳やミルクを吐き出してしまうことがあります。
これを防ぐには、なるべく密着させて吸わせることが必要になります。
くわえるのがうまくいっていない場合は何度もやり直したり、赤ちゃんにとっても練習が必要です。
周りの環境がうるさく集中できていない
赤ちゃんのうちは、五感の発達がまだ不十分です。
なので大人が思っている以上に周囲の環境に敏感です。
ミルクや母乳を飲み込む行為自体が大仕事なので赤ちゃんが飲むことだけに集中する環境を用意する必要があります。
最初は気を使っていてもだんだん慣れてくると、テレビを見ながら授乳をしていたり、または音楽をかけながらの授乳はついついやってしまいがちです。
そうすると聴覚が刺激されたまま、飲むというのはとてもストレスになります。
なので、なるべく静かな環境でミルクや母乳をあげる必要があります。
それに家族が授乳の様子を見守っているという状況で飲んでいると、赤ちゃんは落ち着かず飲むことに集中できません。
その結果、飲み込むのがうまくいかずに嘔吐してしまうということがあります。
なので普段、授乳やミルクを飲んでいる時の周囲の環境が、静かで落ち着いたところで赤ちゃんが飲むのに集中できる環境なのか、ということを見直す必要があります。
照明を少し暗くするというのも効果的です。
そうすることで視覚の情報が入ってきづらくなるので、飲むことに集中しやすくなります。
それとやってしまいがちなのが、ミルクや授乳中の飲んでいる最中に背中やお尻をポンポンと一定のリズムでたたくことです。
それも赤ちゃんが気をそらされてしまう原因になってしまいます。
飲み終わった後にゲップをさせる時には、必要なことですが飲んでいる最中はあまり刺激しない方が飲むのに集中することができます。
吐いてしまう場合にはポンポンとリズムよくたたくのは控えてみましょう。
病的な要因
赤ちゃんが、頻繁に吐いてしまったり、いつもと吐き方が違って噴水のように吐き出してしまう場合は注意が必要です。
発熱や下痢をしていないかということを必ず確認しましょう。
それ以外にも不機嫌だったり、ぐったりしている、いつまで経っても泣き止まないなどの場合は必ず病院を受診するようにしましょう。
胃腸炎、食中毒、頭部の強く打つ、肥厚性幽門狭窄症(胃の下側の出口が分厚くなり十二指腸にミルクや母乳が流れていかない)、などの可能性がありますので、要注意です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
赤ちゃんは胃の構造が大人とは違い、もともと吐き出しやすい構造になっています。
母乳やミルクを飲んだ後に吐き出してしまう場合は、一度に飲ませる量が多すぎないか、しっかりとくわえることができているか、周囲は静かで薄暗い場所かということを確認しましょう。
そして、いつもと違う吐き方や発熱・下痢をしている場合には、必ず病院を受診するようにしましょう。
生まれたばかりの赤ちゃんにとって、母乳やミルクを飲むことはまだまだ大変な作業です。
なるべくストレスのない環境を作ってあげることで、赤ちゃんも飲みやすくなります。そして、それがママのストレスを減らすことにもなります。
毎日の子育てがストレスにならないように、ぜひ工夫してみてください。